2015年11月5日木曜日

国際教養学部の就職 その1

SILSの就職について書きます。
実際にデータを使用した分析は後々しようと考えていますが、
今回はSILSの就職について定性的な観点から書いていきます。

結論としては、国教の就職は総合的に見ると他学部より良い。
優良企業の就職率では政経・法・商学部の上位学部と互角。
但し、学部内の偏差が大きいため就職先未定で卒業する学生も他学部より多いという印象です。

秋田の国際教養大学、国際基督教大学、そして早稲田のSILSと国際系の学部は
一般的に就職力が高いと言われています。
実際に外資や楽天、総合商社、航空会社等の国際色の強い企業への就職率は
同程度の文系大学・学部と比べて高いと感じます。

企業側から見た場合に国際系の学生を採用するメリットは以下の3点でしょうか。
①英語力が高く外国とのビジネスコミュニケーションが即できる。
②留学を経験しているため異文化適応力が高く、海外駐在・出向に抵抗が少ない。
③向上心が強く、入社後も積極的に仕事をしてくれる。

また、そもそも国教へ入学する学生は意欲が高い人が多いので
就活でも時間をかけて準備をするため狙い通り上記企業に内定する人が多いとも
言えます。

ちなみに、学部で何を学んだかはあまり重視されないでしょう。
文系で学部時代の勉強が即入社して役立つのは法学と商学くらいではないかと思います。
では、それ以外の学部の学生が就職できないかと言うとそうではなく、
しっかりと学習しプレゼン・論文等でアウトプットする能力があれば入社後にキャッチアップ
できるので問題ありません。
ですので、大切なのは何を学んだかではなく、どう学んだか、そして入社後も継続して
学習する能力があるかです。

残念ながら、国教では必死で勉強をしても専門性という点においては高校卒業に
毛が生えた程度の知識しか身につきません。
専門性は評価されなくとも苦労して英語で論文を読み書きしたという過程は評価されます。

少し話がそれましたが、国教の学生はそこそこ苦労した人間が多いので、
そこそこ大手企業に就職することができます。


一方で早稲田の国教は卒業後の進路で未定の学生が他学部と比べて多いです。
つまり、一方ではかなりの数が大手企業に就職しながら、他方では卒業後無職の
人間が多いというばらつきの大きな学部となっています。

理由としては、①入学者自体が他学部と比べてばらつきが大きい②進路に対する考えも
一様でない、という2点が考えられます。

まず①
早稲田の一般学部の入学者は、東大落ち組、私立専願組、推薦入試組、内部進学組に
分けることができます。
平均学力は記載順に東大落ちが高く、内部進学が低いです。
推薦、内部進学も一部は非常に優秀ですが平均すると学力は高くないでしょう。

一方、国教ではこれに加えて留学生・帰国子女・純ジャパという区分が存在します。
留学生(SP3/SP4)は日本国籍を持たない学生で9月入学で入ってくる学生のイメージです。
帰国子女は9月入学・AO入試・一般入試で入学してきます。
純ジャパとは大学に入学するまで海外生活の経験がない学生で、ほぼ一般入試で入学します。
また、帰国子女ではありませんが高校や中学で1年海外留学をしていた学生もいます。

国教では英語至上主義なところがあり英語ができる人間が学内の勉強でもうまくいくので
英語力を差し引いた純粋な学力がわかりにくいところがあります。
しかし、帰国子女で入学した学生は早稲田の他学部には受かりそうもなく、
消去法的な理由で国教に入学した学生が多いのも事実です。
また、純ジャパの学生はあえて慣れない英語の環境を選択してきただけあり、
能力と向上心は高いです。

その結果就職で何が起きるかというと、学科試験や面接は大半が日本語で行われるため
帰国子女は上手く行かないことが多いです。

私個人の実感としては、帰国子女の3割が外資や日系企業に内定し、
純ジャパの6割が日系企業とたまに外資に就職し、
残りの帰国子女7割と純ジャパ4割は非大手企業や進路未定かなと思います。


次に②
それにしても、帰国子女の大手就職少なすぎと感じるかもしれないですが、
帰国子女と帰りの一部の純ジャパは海外に染まりすぎて割と就活どうでもいいと
考えている人が多いためです。

米国で就職を目指すひとは卒業後に就職活動をすればいいと考えている人もいて
そういった人は就活を全くしなかったり、大手だけ2-3社受けて終わりという人もいます。
また、早稲田の人文系学部の人なら理解できると思うのですが、国教に入学するくらいなので
とにかく普通の就職をしてサラリーマンは嫌という天邪鬼も一定数いて、彼らは大企業には
就職したがりません。
さらに留学生はそもそもどう就活するのかも不明ですし、おそらく進路報告もしていない
ため未定としてカウントされていると考えられます。


上記2点の理由が早稲田国教の就職の偏差が大きくなる理由です。

最後に就職を重視してSILSへの入学を考えている人がいるなら、
私がおすすめするかは実に微妙なところです。
私は専願の一般入試で入学して、苦労しながらも留学しTOEICは950点も超えて
たまたま総合商社に入社することができました。
結果的には予想以上の成果を残せたのですが、精神的にきついというか理不尽と思う場面は度々ありましたし、同じ努力をすればもっと良いキャリアを作れていた気もします。
ただ、努力しなければ淘汰される環境にいたという意味ではSILSにいたのは良かったです。

SILSの悪い面は書き出すときりがないのですが、後々投稿できればと思います。
願わくば私が学生でいた頃より状況が改善していればよいのですが。。




2015年11月1日日曜日

自己紹介

はじめまして、佐藤と申します。
数年前に早稲田大学国際教養学部を卒業し、現在は総合商社で働いています。
国際教養の良いところ悪いところを宣伝し、後進の役に立つようなブログを目指します。
受験生、大学生、就活生に参考にして頂ければと思いますので、知りたいことがあれば是非ご質問下さい。
どちらかというと、SILSに入り順風満帆な学生生活を送る方より、入ってみたけどこんなはずじゃなかったという人に共感して貰えるブログになるといいです。